長年、料理の道を歩んでまいりましたが、この道は、果てしなく終わりのない道のりだと、最近つくづく感じている所存です。
この度、歴史ある本組合の組合長を仰せつかり、大役に、身の引き締まる思いです。
平成25年12月に、「和食:日本人の伝統的な食文化」がユネスコ無形文化遺産に登録されました。
日本の食文化が、世界に通用することが認められた大変喜ばしい出来事です。
ですが、前組合長の柿安総料理長の本田昭夫先生が警鐘されておられますように、文化的な厚みか大きがゆえに、プロとして料理人の世界に入ってこられた人にとって、重たく感じられているのではないでしょうか。
昔から続く「調理人育成」の仕組みが今の人たちに適合しなくなってきているのではないかと感じています。
会社とか、お店とかの企業の垣根を越えて、プロの調理人として食の現場力を学べる場を作ることがこの道に入った私の恩返しだと考えております。